落合陽一特別展「手・ヌル・GUI」|同時開催 永楽屋アーカイブ「ドローン・テヌグイ展 ドローンのない時代にこんな視点!?」

9/28 19:30-22:00 ※最終入館21:30
9/21-11/21 10:00-19:00 ※最終入館18:30

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落合陽一特別展「手・ヌル・GUI」

落合陽一が手ぬぐいの老舗・永楽屋の歴史をリサーチし、十四世細辻伊兵衛とコラボした新作を発表。“割れた液晶の夢を見る手拭い”という荒唐無稽なイメージを起点に、計算機自然の新たな反実仮想を生み出します。

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登壇者:落合陽一、ジュスティーヌ・エマール
会場:関西日仏学館

計算機自然空想・計算機自然妄想

デジタル技術によって生み出された物理的には存在しないが、リアルに感じられる環境やオブジェクトを展示。

計算機自然にアップデートすることは重力からの解放を意味する。質量への憧憬も符号化された永遠も、符号化された憧憬も、質量の永遠もある。石板の方がスマホより長生きだ。計算機自然の空想の行末を単語で表したい。計算機自然仮想。空想や妄想は自然に惹かれる。我々の着想や発想が重力に惹かれるように。さて計算機自然にアップデートされた世界における空想や妄想の世界はどう変わるのか。手拭いが割れて液晶が染み出す非現実性に依拠し、計算機自然仮想の中で、デジタル と物質の間に存在する新しい美を見つけることができる。シュールレアリズムは計算 機自然にて突破される。キュビズムも然り。人間の空想は質量のない自然と質量ある 自然、世界プラスとマイナスが交わった世界でまた違う段へと変わっていくのである。 永遠の命はフィクションではない。宇宙に行くこともバイオアートもフィクションで もない。イマジネーションは常に拡大する。コンテンポラリーも常に変化する。デジ タルネイチャーの中で進化する人類の未来を象徴する「計算機自然仮想」は、我々が 今までに見たことのない、新しい現実の創造を目指すものである。

さて手拭いが割れる世界の妄想だ。時空間は交錯し、物理的限界を跳躍し、解像度の 高い妄想が噴き出してくる。江戸時代の人々のファントムレゾナンス、昨日は明後日で 今日は物質である。空間は計算している。君のオントロジーは何色で、nullは如何に。手ヌルGUIの世界へようこそ。来ることは触ることに似ている。触ることは扉を開くこ とに、差し込む光は偏光している。液晶は手拭いに染み出し、風呂場は感電の祝祭空 間だ。電気と水のマリアージュが布を輝かせる。職人の手業がコードに変換され、プ ログラムが歌う。この世界の計算機自然仮想を現前させる。

【同時開催】永楽屋アーカイブ「ドローン・テヌグイ展 ドローンのない時代にこんな視点!?」

1階では永楽屋が制作した江戸時代から昭和初期の手ぬぐいの中から、当時まだなかったドローンから見たような視点で描かれた手ぬぐいをご紹介します。

落合陽一

メディアアーティスト。1987年生まれ、2010年ごろより作家活動を始める。境界領域における物化や変換、質量への憧憬をモチーフに作品を展開。筑波大学准教授。2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)テーマ事業プロデューサー。近年の展示として「北九州未来創造芸術祭 ART for SDGs (北九州, 2021)」、「Ars Electronica(オーストリア, 2021)」、「晴れときどきライカ(ライカギャラリー東京,京都, 2023)」、「ヌル庵:騒即是寂∽寂即是騒(Gallery & Restaurant 舞台裏,2024)」など多数。また「落合陽一×日本フィルプロジェクト」の演出など、さまざまな分野とのコラボレーションも手かげる。