「境界 / Le seuil」

© Margot Gaches 2023
9/30 9:00-21:00

10/1-10/9 9:00-18:00

Type : 

2017年にマルゴ・ガシが初めて日本を訪れたとき、彼女は文化の反対概念が逆説的に結びついていることに気づきました。それらの間の空間は特別な意味と形を帯びす。例えば、屋内と屋外、公共と民間、神聖と世俗や暖簾と関守石はしめ縄などで区別されています。
このコンセプトに興味を持った彼女は今回のプロジェクトを「境界」と名づけました。この「境」と「界」二つの文字を考えるたびに「『境界』自体で世界になり得るのか?」という思いに至りました。この疑問に彼女は「間」と言う物に導きました。
そして光と影、視覚と音感、満と空、芸術と工芸、文章と絵画の間の「境界」を探求する創造的な探検が始まりました。
今回彼女は写真のインスタレーションと、2人のアーティストと共にサウンドインスタレーションも制作し、京町家の「The Terminal Kyoto」で開催されます。

アーティスト:マルゴ・ガシ、上田普とエイジ・ジョン・インファンテ・ミツタとのコラボレーション キュレーション:オレリー・カルレ - Zen House Gallery

マルゴ・ガシ

マルゴ・ガシは、1993年生まれのフランス人ヴィジュアル・アーティストです。 彼女は2016年にフランス西部ナントの美術学校を卒業後、数多くのアートイベントに 参加。Impression de mai 賞 (2018 年) および CIPGP 研究フェローシップ(2022 年) を受賞しました。さらに、アートプロジェクトを開発するフランス政府のDRAC institutionから 資金援助を受けました(2020)。彼女はまた、Ange Leccia が主催するパビリオンでのアート レジデンシーにも参加し、 昨夏には、パリのパレ・ロワイヤルのGalerie Le Revelateurで開催された個展に招待さ れました。 2022年10月からは日本に住み、日本社会における「間」の概念を調べる最新のプロ ジェクト「境界」(仮題)を進めるために、日本文化の研究を始めました。 フィクションを通じて、マルゴ・ガシは、時間的および空間的な痕跡、芸術的、科学的、または超自然的な現象の残骸としての痕跡の概念に疑問を問うています。 彼女のアプローチでは、彼女が展開するイメージの世界で、幻影または平行次元が異なる空間と時間で出会います。したがって、荒れ果てた風景や混雑したメガロポリスは、彼女が個人と集団の記憶、過去 または未来、フィクションまたはサイエンスフィクションに疑問を呈することを可能にする探検 の場所です. 現在、彼女は、科学者、アーティスト、研究機関だけでなく、国のパートナーや協力者の 支援を受けて作品を制作しています。 彼女の取り組みでは、探検、観察、仮想旅行、および実際の旅行の概念を探求すること により、ドキュメンタリーおよび芸術形式の進展におけるフィクションの役割を問うています。 マルゴ・ガシは、「私たちの仮想世界と想像上の世界を観察することは、私たちがいる世界 を先に理解することです。」と言っています。

上田普

書家。1974年生。幼少から母親の元で書を学ぶ。四国大学書道コース卒。中国・杭州大学に留学後、カナダ・トロントで活動。2002年京都に移る。2005年京都市美術協会より新鋭美術作家に選出。その後アート・シドニー、韓国国際アートフェア、木津川アート、Water Tower Art Fest2014(ブルガリア)、AKIN(ウェールズ・UK)、The AREThé Festival2018(パリ,ミラノ)、Art Fair Tokyo等に参加。 京都市とパリ市のアーティストコラボレーション事業SAVOIR-FAIRE DES TAKUMIへ2019年、2021年選出。2019年ヘーベルト美術館 “Esprit Japon” Musee Hebert (グルノーブル)。白沙村荘 橋本関雪記念館、知恩院、金沢市民芸術アート工房などで個展を開催。 ニュイ・ブランシュKYOTO 2019ではコンテンポラリーダンサーのバンジャマン・カリッム・ベルトランとパフォーマンス行った。他、泉鏡花作、中川学絵の絵本「龍潭譚」、同じく「絵本化鳥」の題字を担当、2014年アジアデザイン賞受賞。NMB48、男前豆腐店、叶匠壽庵、武田薬品工業株式会社、西陣織あさぎ美術館、柊家旅館、前田珈琲等とのクライアントワーク。時代祭館十二十二館内の映像、東アジア文化都市・京都2017のプロモーション映像、VRによる書道パフォーマンスなど 最先端の映像制作にも関る。 四国大学書道文化学科 大阪電気通信大学 非常勤講師。

エイジ・ジョン・インファンテ・ミツタ

フィリピンで生まれ、日本の国際コミュニティーで育ったエイジ・ジョン・インファンテ・ミツタは映像や空間を演出する音楽を生み出す音楽家、サウンドアーティストです。エイジの音楽の旅は、ドラムとパーカッションから始まりました。フィリピン人と日本人の家庭に生まれ、母親が流すお気に入りの音楽テープや、フィリピンの田舎の穏やかな音、東京の騒音とも言える都会の喧騒音に大きな影響を受けました。群衆のざわめき、鳥のさえずり、雨の音など、環境音として見落とされそうな音も、彼にとっては交響曲やソナタになります。彼の作品である楽曲は感情を宿す建物のようなものであり、音は自然界を映し出しています。エイジは、自身を音の探検家と表現しています。

京都の中心部にあるZen House Galleryは、アートを通して分かち合うことを目的とした、ユニークで新しい実験的な交流スペースです。Zen Houseはオープンな環境に配慮し、新人からベテランまで国内外のアーティストを紹介することで、様々なアイディアを共有し、お互いの生活をサポートしながら、アーティストやアート好きのコミュニティを育てることがZen Houseの目標です。

オレリー・カルレは京都を拠点とするギャラリーオーナー、キュレーター、展覧プロデューサー。アジア、特に中国本土と香港で20年を過ごした後、2015年日本に定住。アートを愛し、アジアと日本の文化に情熱を注ぐ彼女は、ZEN HOUSEを設立した。